育児と仕事の両立を支援する「短時間勤務制度」とは~看護師の働き方と併せて~

短時間勤務制度とは

育児短時間勤務制度とは、育児と仕事の両立を支援する制度です。長時間の勤務だと育児をしつつ勤務をするのが難しいため、育児に専念するために職場復帰を断念する方もいます。

職場復帰の支援のため、勤務時間を短くして勤務出来るという介護育児法で定められた制度です。

第二十三条 事業主は、その雇用する労働者のうち、その三歳に満たない子を養育する労働者であって育児休業をしていないもの(一日の所定労働時間が短い労働者として厚生労働省令で定めるものを除く。)に関して、厚生労働省令で定めるところにより、労働者の申出に基づき所定労働時間を短縮することにより当該労働者が就業しつつ当該子を養育することを容易にするための措置(以下この条及び第二十四条第一項第三号において「育児のための所定労働時間の短縮措置」という。)を講じなければならない。
介護育児法第二十三条(e-gov)

希望申請が必要

従業員より希望があれば、勤務先は対応しなければいけないという法律です。申請がない人でも絶対に短時間勤務にするというものではありません。

ですが、申請があれば必ず短時間で働ける様に制度として申請や整えておかなければいけない法律です。

適用となる病院の規模

2017年現在では、勤務先の規模に関わらず適用となっています。
2010年6月30日に100人を超える事業所で義務となり、2012年7月1日より、100人以下の事業所も義務となりました。

勤務時間

時間は6時間もしくは5時間45分にしなければいけません。この時間の制度を用意していれば、他の時間も希望出来るように職場が用意しておくことは問題ありません。

例えば、5時間、6時間、7時間等の3パターンから選べる、等です。

その他類似の制度

他の制度としては、夜勤を免除できる「深夜業の制限」や、残業をしない「所定外労働の免除」という制度もあります。短時間勤務制度も含め、すべて希望を申請して可能で、組み合わせることもいずれかだけ希望することも可能です。

男女はどちらでも取得可能ですが、短時間勤務制度を申請できる人には一定の条件があります。

該当条件

条件は下記の通りです。

  • 子供が3歳まで
  • 育児休業中ではない
  • 日々の雇用ではない
  • 労働(平均ではなく、全ての日)が6時間以内ではない

これらの他に、一部労使協定で対象外と定めることのできる条件があります。

対象外にできる労働者の条件

  • 入社1年未満
  • 週の労働日数が2日以下
  • 業務の性質上、短時間勤務制度が難しい場合

「業務の性質上、短時間勤務制度が難しい」というのは、ハッキリとは定められていませんが、厚生労働省でもいくつかの例があります。
その中で病院勤務に関する事例としては下記があります。

業務の実施体制に照らして、制度の対象とすることが困難と認められる業務
→労働者数が少ない事業所において、当該業務に従事しうる労働者数が著しく少ない業務
厚生労働省 育児・介護休業制度ガイドブック

例えば「小さなクリニックで看護師が数名しかいない」というケースが当てはまります。ただ該当する場合でも、「対象外なので短時間勤務は出来ません」で終わりということではありません。

その場合は下記のような代替の対応を用意するように決められています。

  • 育児休業の制度の対応
  • 勤務開始や終了の時間の調整
  • 勤務先内での保育施設を用意する、もしくはそれと同様の状況を用意する
  • フレックスタイム制度

保育施設の用意と同等の状況とは、ベビーシッターの費用負担等があります。

フレックスタイム

フレックスタイムとは、働く側の人が出社、退社の時間を決めることが出来る制度です。
コアタイムと呼ばれる必ず出勤していなければいけない時間帯や、フレキシブルタイムという出社・退社が何時から何時までの間かを設定されている場合があります。

労使協定

労使協定とは勤務時間や日数を法律の範囲外で一部適用できる、勤務先と働く人の取り決めです。就業規則とは異なり、事業所単位で決めるものになります。

例えば、医療法人○○会という法人がA病院とB病院等、複数病院を経営していた場合、就業規則はこのどちらも同様となる法人全体の規則となりますが、労使協定はA病院とB病院ごとでのとりきめとなります。

病院ごとに労働組合があるときはその労働組合、組織する労働組合がないときは、病院の従業員の過半数を代表する者と経営者と書面を交わす、というものになります。

就業規則

短時間勤務制度は会社の制度として整備しておかなければいけないものとなっていますので、就業規則にも通常記載されています。特に開始時間が変更となる場合のその詳細、または申請の方法や時期などが記載されています。

期間

短時間勤務制度を利用できる期間は、子供が生まれてから3歳になるまでです。産休、育休を取っている場合は、その休業が終わってからとなります。

延長について

延長はできませんが、厚生労働省でも3歳から小学校入学までの期間、下記の対応の「努力」を行う様に、と示しています。

  • 育児休業に関する制度
  • 所定外労働の制限に関する制度
  • 短時間勤務制度
  • 始業時刻変更等の措置

このため、勤務している病院や医療法人によっては3歳以降も負担軽減となる制度を病院側で用意している場合があります。

給与について

勤務時間が減るため、給料がどのようになるのかは気になるところですが、これは会社判断となっています。

勤務時間に応じた支払いが多い

勤務時間通りの給料のみという支払い対応は問題ないため、実際には勤務時間が減った分、割合で賃金を減らすという対応をしている会社が多いです。

育児休業給付金との組み合わせ

1歳までであれば、育児休業給付金と合わせる方法もあります。月で10日以内のもしくは計80時間以内であった場合、目安としておおよそ休業する前の8割を超えない場合は育児休業給付金も支給されることになります。

例えば週に2回6時間勤務であれば働きつつ育児休業給付金を貰える可能性があります。

期間中のボーナス

ボーナスは就業規則により異なります。もし短くなった分、何割か減らす様な記載があれば金額が減ってしまう場合があります。

ですが、短時間勤中は賞与はなしとするような記載がない場合、期間中は勤務していないとみなして、ボーナスを支払いしないことは出来ません。

保険料

給与が減ると、保険料の納付金額も減ります。年金の納付金額が減った時、将来の年金の支給額が減るのではと思う方もいると思います。 

年金に関しては、申請をすることで納付金額が子供が生まれる前と同様として将来の年金を受け取れる制度があります。養育期間の従前標準報酬月額のみなし措置と言います。

次世代育成支援の拡充を目的とし、子どもが3歳までの間、勤務時間短縮等の措置を受けて働き、それに伴って標準報酬月額が低下した場合、子どもが生まれる前の標準報酬月額に基づく年金額を受け取ることができる仕組みが設けられたものです。 被保険者の申出に基づき、より高い従前の標準報酬月額をその期間の標準報酬月額とみなして年金額を計算します。養育期間中の報酬の低下が将来の年金額に影響しないようにするための措置です。
日本年金機構

勤務先を経由して年金機構にされるものですので、手続きは勤務先に申し出る必要となります。短時間勤務制度を利用した期間に働いた勤務先複数ある場合には、それぞれで手続きを行う必要があります。

必要書類は以下の2点です。

  • 戸籍謄本、戸籍事項証明書等、申請する人とその子供の関係が確認できるもの
  • 住民票、申し出者と子供の同居が確認できるもので90日以内に発行されたものが必要です。

この他に勤務先によって定めている用紙がある場合もあります。

短時間勤務制度中の看護師の働き方

法律で決められている育児短時間勤務制度ですが、勤務時間は定められているものの、その内容までは指定されていません。

実際に育児短時間勤務制度を利用し、仕事内容が思っていたのと違うと感じているというケースもあります。

夜勤は可能か

深夜業の制限の制度とは別の制度となっており、本人の希望であれば夜勤を行うことは問題ありません。

残業

6時間を超えてはいけないため、残業をしたくても出来ないというケースが発生することもあります。勤務先で用意されている制度によっても異なってきます。

申請方法

方法、及び申請期間は勤務先によって決まっています。人事部があればそちらに相談し、ない場合は上司に相談します。

書類

厚生労働省でも書面の様式はありますが、勤務先で専用の用紙を用意している場合が一般的です。

申し出期間

厚生労働省では、1回の申請で「1ヶ月から1年以内の期間」で、開始の1ヶ月前に会社の人事担当者に申し出するとなっています。更に勤務先がいつまでに申請をするかという期間を決めるので、数ヶ月前までに申請となることが多いです。

看護師の通常勤務との違い

制度を利用することで申請する人に不利益があるようなことをしてはいけない、と定められています。

例えば、元々正社員で勤務していた人が育児短時間勤務を申請してきたのでパートタイムに変更する、という対応は病院側はしてはいけないということです。

勤続年数

勤務時間が減ることから、育児短時間勤務制度を利用している間は勤続年数に含まれないのではという疑問もあるかもしれません。ですが短時間勤務をしたことで、その期間は休んでいたと同様にしてしまうことは問題となります。

昇給への影響

育児関連の制度を利用した場合、昇給、キャリアアップへの影響を気にする方も多いです。実際には昇給のシステムが病院で決まっているかどうかで影響があるか変わります。

例えば1年ごとに昇給がある場合、「短時間勤務制度を利用したから、今年は1年勤務したとみなさず昇給なし」といった対応をとってはいけないことになっています。ですがもし「勤務合計○時間ごとに昇給」となっていた場合は、勤務時間自体は減ってしまうので、昇給が遠くなることはあります。

退職

育児短時間勤務中に退職することで罰則等はありません。そのような設定を病院側でしていた場合、不利益になる扱いとなってしまいます。

退職金については就業規則によって異なります。勤続年数や退職時の役職で金額を算出したり、基本給に勤続年数をかけること等で計算することがあります。
育児短時間勤務制度を利用している際に、退職時は基本給の何割かにする規定がある場合は減ってしまうケースもあります。

まとめ

短時間勤務制度は産休、育休をあけてから利用することになる制度です。長期間休業してからの職場復帰はブランクがあり大変ですので、少しずつ職場復帰に慣れてから戻るには良い制度となっています。

職場によっても制度の詳細は異なりますので、自分の働いている病院でどのような短時間勤務制度が用意されているのかを確認しておきましょう。仕事と育児の両立は大変ですが、産休や育休、短時間勤務制度を知っておけば負担を少なくすることが可能です。

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